情シスのジョーシキ

ジョーシスで働く方のジョーシキを解説します

「脱Excel化」≒DX、のウソ/ホント(遅まきながら、このブログで何を書きたいかについて)

昨今のDXの流れの中で、よくスローガンで聞かれる「脱Excel化」
やれ、「Excel方眼紙の功罪」だの、「マクロの属人化」だの、出てきた当初には神のように扱われたExcelが、今DXが叫ばれる中で敵視され始めている。

筆者もご多分に漏れず、自身の部署の中でメンバーによりExcel上でデータが適切に扱われず、そういうことであればkintoneなどの脱Excel/ローコードツールへの乗り換えを検討したことがある。

ただ、現在ではその考えは大きく変わっている。

そもそも、脱Excel/ローコードツールなどへの乗り換えを図ったところで問題解決に至らず、あらたな属人化が始まるだけではないのか、ということ、またなぜ脱Excelが叫ばれるかといえば、それは結局メンバーへの適切なExcel利用をはじめとしたICTツールの研修・教育が行われていないからであり、その足腰を鍛えることなしに脱Excelを果たしたところで、より企業/組織としての強靭さはむしろ失われていくのではないかと考えているからだ。

結局、自身及び組織がメンバーなどに技術なりスキルなりを教えることのコストを外部化し、彼らの成長なり組織をより強くしていくことを放棄した先に、今叫ばれているDXがある、そのように感じている。

決してRPAやkintoneなどのローコードツールを否定するものではないし、そもそもExcelだって登場した当初は(Excelの前身であるLotus1-2-3も含めて)、会計・経理業務を無くしていくツールだと喧伝されたものだった。しかし、Excelが登場して40年が経とうとしているが、会計業務はExcelだけで完結することなどほとんどなければ、むしろより複雑化し専門ソフトなしには、大企業の会計業務は立ち行かないのは周知のとおりだ。

とはいえ、その事実がExcelの価値を損ねたかというと、そういうことでもなく、会計業務で言えば、Excelはちゃんとその中核業務周辺に、欠かせない存在として君臨している。

何が言いたいかといえば、まずはExcelないし表計算ソフトというものは、その歴史がコンピュータの歴史の中でも極めて長く、非常にこなれた存在であり、そう簡単になくなるものではないということ、また昨今のDXにおいて足りないのは、新規ツールの導入を検討する前に、従業員が現在あるツールをちゃんと使いこなしているかどうかの評価であると思える。

なので、まず大事なのは、従業員への適切なExcelの使い方の教育だ。

  • 適切な表形式とは何なのか。
  • 入力→処理→出力というコンピュータ、関数、プログラムにおける、共通の考え方を意識しているか。特にその中でも入力情報は極めて重要なことを、教えているか。
  • 入力情報が重要であるからこそ、具体的に何をしなければいけないのかを教えているのか。
  • 他の人にも理解できる関数、VBAの書き方をしているのか。

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…などなど、非常に基本的なことばかりではあるが、それすらできていない職場も多いのではないか。

このブログでは、ExcelGoogleスプレッドシート(GoogleAppsScript含む)、PowerShellPythonなど、主にジョーシス業務でよく利用されるツールについて、業務効率化等に役立つ情報、従業員の再教育に役立つ情報を、自分自身への振り返りや備忘録代わりに、今後も発信していこうと考えている。

遅筆かつ業務の合間での更新となるので、本当に少しずつの情報発信になると思われるが、ここでの文章が、少しでも同様の悩みを抱えている方への業務改善のヒントになることを願って。